「強さ」を取り戻しつつあるAMD【独り言】

【この記事は、あくまで一人のファンの独り言として捉えていただきたい。】

 

2020年10月9日、日本時間の午前1時にAMDからZEN3アーキテクチャーが発表された。

ZEN1から着実に性能を高めてきたRyzenは、ついにZEN3でライバルであるIntelのCPUと互角かそれ以上の性能を発揮できるようになったと言えそうだ。

 

私が自作PCに興味を持ち始めた時に発売されていたハイエンドのNvidiaのグラフィックボードは、GeForce GTX 980Tiだったと記憶している。つまりATIがとっくの昔にAMDに買収されていた時期だ。

その頃のAMDはメニーコア路線のFXプロセッサを発売していたが、思うようにパフォーマンスを発揮できず、苦境に立たされていた。(私の記憶が正しければ、当時のAMDのCPU最上位のFX-9590ですら、当時の最新のIntel Core i5シリーズと性能面でどっこいどっこいだった筈である。)グラフィックス部門でもNvidiaGeForce相手に振るわず、チップを2つ載せた爆熱上等路線で行っていたことを覚えている。

当時はAMDMicrosoftに買収されるなんて噂もあったほどである。

 

当時、非常に歯痒い思いをしていた筆者にとっては、今回のZEN3とRDNA2の発表ほど喜ばしいことはない。

 

 

さて、長い前置きは避けたいので早速本題に移ろう。ZEN3発表の時にチラ見せされたRadeon RX 6000シリーズのスコアだが、あれはいったい「どの」グラフィックカードなのだろうか、ということについてだ。

多くの人は、あのスコアがNavi 21ベースのRX 6900 XTのものではないかと推測しているようだ。ロマンを求める人々の中には、あれがNavi 22ベースのGPUだと願う人もいる。

 

しかし、今回のZEN3の発表の手法を見る限り、あのスコアはRX 6900 XTのものではないだろうと筆者は考えている。

今回の発表は非常に短くシンプルなものではあったが、Ryzen 9 5950Xのお披露目に関しては最後の方まで引き延ばしている。もしこの時点でフラグシップであるRX 6900 XTのスコアをチラ見せしてしまうと、来る10月28日のRDNA2の発表で発表するものがなくなってしまう。(それに、3週間近くも引っ張って同じスコアを出されても興ざめだろう。)

逆にNavi 22だと性能が高すぎる。リーク情報によれば、Navi 22はNavi 21のCU数が丁度半分のスペックとされている為、流石にあのスコアを叩き出すことは出来ないだろう。

 

 そうなってくると、可能性としてありえるのはNavi 21のカットダウン版だ。

 

Navi 21とNavi 22のスペック差を考えれば、Navi 21をスペックダウンした製品が出さるのは十分ありえる話だ。むしろ、出さなければNvidiaにそのスペック差を埋める対抗製品が出されてAMDは不利になる。

 

 

もう1つの可能性は、あのスコアが古いベンチマーク結果である可能性だ。

 

仮にあのスコアがRX 6900 XTのものだとしても、最適化による性能向上は十分に期待できる。Vegaや第一世代Naviは、発売直後と少し時間が経ってからのドライバの最適化の差が激しかった。

CPUよりGPUの発表が遅いのは、PS5やXbos Series X生産の影響や、GPUの供給を安定させる狙いもあるだろう。しかし、発表が遅れる分ドライバの完成度を上げる時間も少しできた筈だ。

 

AMDは万全の体制でGPUのローンチを迎えたるつもりだろう。今回のスコアがNavi 21のカットダウン版なのか、それともRX 6900 XTのスコアなのか、それは10月28日(厳密には日本では29日)まで待たないとわからない。

 

そして最後に、今回リサ・スーCEOがBig Naviをチラ見せして判明したことがある。

今までは、Naviのグラボは凹ませることで強くなると私は考えていたが、実際にはその真逆で、強力なグラボであればCEOの握力に耐えうるということだ。(勿論、冗談である)